どうも、けーしぃです。

個別株を購入するとやはり気になるのが配当だと思います。私も配当利回り3~4%程度の銘柄をよくチェックしてます。

配当利回りはYahoo!ファイナンスや証券会社の銘柄情報画面でも目にするかもしれませんが、1株当たり純利益(EPS)の推移や配当性向などを確認されている方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。

今回は、配当利回りだけではなく1株当たり純利益の推移、配当性向及び配当方針の確認もすることで、配当株投資の精度を上げていきましょうという回です。

お断り:本稿ではトヨタ自動車を例に指標を見ていきますが、トヨタ自動車を買い推奨しているわけではありません。

用語の確認

簡単に確認しておきましょう。

  • 配当 … 決められた月日(権利付き最終日)に株式を持っていた場合に受け取ることができる現金
  • 配当利回り … 購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受け取ることができるかを示す数値
  • 1株当たり純利益(EPS) … 当期純利益を発行済株式数で割った数値
  • 配当性向 … 配当をEPSで割った数値。配当の原資たるEPSから、どのくらい配当を支出しているかを示す

8月13日時点のトヨタ自動車の指標です。配当性向は載っていないので、計算してみると約46.5%ですね。

引用元:Yahoo!ファイナンス – 7203 トヨタ自動車

さて、毎期受け取っている配当の原資はなんでしょうか。

配当は原則、その期の企業活動から得られた純利益からの支出となっています。

では、毎期純利益が伸びている株を買えば配当も一緒に伸びていくのでしょうか。

一概にはそうとは言えません。重要なのはEPSの増大です。

純利益の増大だけではダメな理由

企業は新株発行という増資手段をとる場合があります。

新株発行は「新しく株式を発行して市場からお金を調達しよう」ということなのですが、発行済株式数が増えるためEPSは低下してしまいます(分母が大きくなる)。

これを株式の希薄化と呼びますが、一般的には株価の下落を招きます(増資理由等による。絶対ではないです。)。

EPSは「EPS = 当期純利益 / 発行済株式数」のため、純利益が変わらなければEPSは低下します。

配当は「配当 = EPS × 配当性向」ですので、配当性向が変わらなければ実質的な配当は低下します。

悪い増資は既存株主の価値を毀損するため、これまでのEPSの推移を見て、変な増資を行っていないか、しっかり稼げているかを確認する必要があります。

各指標の推移の確認

トヨタ自動車のEPSの推移と配当の推移、配当性向の推移は次のとおりです。

引用元:バフェット・コード – トヨタ自動車【7203】の業績・財務

左のグラフの赤い線がEPS、右の棒グラフが配当、同じく右の赤い線が配当性向を表しています。

トヨタ自動車は2024年のEPSの伸びが極端に大きいものの、それ以前も緩やかな上昇傾向といった感じですね。今期は前期より大幅なEPSの低下を予想していますが、配当はここ10年で最高の数値となっています。

配当性向は25~35%程度で推移していましたが、今期大幅な減益予想にもかかわらず増配をしているため、配当性向が46.5%となりました。

ここで重要なのは、過去EPSが安定的に推移しているということは、将来も安定的に推移する可能性を期待できるということです。

投資に絶対はないのですが、毎期EPSがめちゃくちゃな上下をしている企業も掃いて捨てるほどあります。

一方で、トヨタ自動車はあのコロナ禍の中でさえそれほどEPSが落ち込まず、安定的に推移していることがグラフから伺えます。

予測できない天災、世界情勢の変化に左右されず、淡々と本業で稼げる企業は、将来的にも安定的に配当を出し続けていく可能性が高いことは納得していただけるのではないでしょうか。

配当方針の確認

さて、では本当にトヨタ自動車は今後も配当を出し続けてくれるのでしょうか?

トヨタ自動車ほどの大企業であれば間違いないと誰しも思うところですが、一応確認しておくのが一端の投資家というものでしょう。

トヨタ自動車に限らず、中小型株を買った場合も必ず確認しましょう。

確認方法は主に、決算短信、有価証券報告書、中期経営計画です。

有価証券報告書 – 配当政策

トヨタ自動車の2025年3月期有価証券報告書に配当政策という項がありました。

>配当金については、安定的・継続的に増配を行うよう努めています。

ということで、増配方針であることがわかりますね。

安定配当をうたっている企業はよく目にしますが、増配をうたっているのは意外と見ないかもしれません(普段小型株しか見ないので間違っていたらすみません)。

有価証券報告書以外の確認方法

他にも、配当方針は中期経営計画に記載されていることも多いですが、必ずしも書いてあるとは限りません。各種適時開示書類やホームページを見て、それでも見つからない場合もあります

今後の配当の推移や、増配する気があるのかないのかが不透明なので、配当目当ての場合はよく注意した方がいいですね。

まとめ

ごく簡単ですが、スクリーニングだけではわからない指標の推移、有価証券報告書等の開示書類の確認まで開設しました。

どんな企業でもこれまで安定的に稼いできたからといって、今後も稼ぎ続ける保証はありません。

しかし、EPSの推移を見ることでその企業の稼ぐ力を確認し、長期保有の心理的安心感を得ることができるのではないかと思います。

また、適時開示文書を確認するようにすることで、より深い企業分析の一歩を踏み出せるのではないでしょうか。

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